シトロエンZXとの闘いトップに戻る

第三十六章:秋の夜長に〜ATの話

9月に入りましたが「貧乏暇無し」状態で、あまり車に乗ってません!
そんな訳で今回はBX・エグザンティア・ZXのATについてちょっと語りマス。
上述の様に私は3台のシトロエンを乗り継いできましたが、この3台全てATユニットは同じでZF「4HP14」型を搭載。
「4HP14」は欧州車の4速オートマとしては先発組で1980年台初期に開発されたものです。

このAT最大の特徴は「日本で使うには、使いにくいセッティング」にあると昔のマスコミがの意見しています(私も同感)。
理由はシフトアップのタイミングが2速→3速は45q/h、3速→4速は70q/h。逆に3速→4速のダウンタイミングは60q/h
と厳密に決められている為です。
2→3速のタイミングは市街地では状況により延々2速で走る事になり燃費に不利ですし、3←→4速は郊外のバイパス等速度
が50〜80q/hと変化する様な場面では3速と4速を行ったり来たりとなりATに負荷がかかります。特に4速はロックアップ
(直結)ですから、都度ロックアップクラッチの動作が繰り返されることとなります。
故に常時Dレンジ(BXとZXはAレンジ)走行は、ATにとってもドライバーにとっても不快となる場面が多いと思われます。

しかし厳密なシフトスケジュールに関しては、「一般道は3速まで」「4速は高速のみ」と決める事により、不快感やATへの負荷を
減らす事が可能です。逆に一般道で100キロオーバーとなってしまう場面でも3速、即ちエンジンぶん回し状態になる訳ですが、
これが結構気持ちいいのデス。やっぱラテン車はエンジンぶん回さないと面白くありません。
高速への進入では3速で120キロ位まで引っ張って、手動で4速にシフトアップ・・・これは一種の儀式です。

さて「4HP14」ですがBXの全盛時代にはその耐久性についてしばし話題になりました。私のBXも6万キロ走行時にAT故障で
載せ替えた経験があります。何と言っても故障の時は悲惨でした。名古屋の中心街の地下駐の入り口をふさぐ様にエンコし、
大渋滞を作ってしまいました。BXのものは特に耐久性が低かった様です。
耐久性については車検毎にATFを交換することで、故障を防ぐことができる様なので実行してます。

こんな危険なATと十年以上お付き合いをしています。でも私は結構好きなんですよ、このAT。
電子制御全盛の21世紀にあって、どう考えても電子制御していないところが、いいかなぁ。
万人にお勧めではありませんが、「世の中にこういうモノがあってもいいんじゃないか」と思います。
そういう価値感の私はやはり変態(M人間!)なのでしょうね。
                                                                (第三十七章に続く)