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第152章:本革シート部分リペア(2017.11.15〜16)

白ちゃん堂では、ここ2年位殆どメカ部分の更新に注力してきました。
逆に言うとそれ以外は何もやっていない状況でした。

今回取り上げる運転席の本革シートの劣化はずっと前からの検討課題だったのですが、メカに追われプライオリティが
低くなってしまい、その間にも劣化は進みいよいよアカン状態になってきました。

自動車の本革シートはハンドバッグ等の皮革製品と異なり、車内の過酷な環境・汗・衣服の接触する等の使用条件は最悪。
それに耐えられる様、表面処理(塗装)を施してあるのですが、永年の使用で表面の塗膜が劣化し、革本体を保護できなく
なってしまいます。最悪は表皮張替えなのですが、そうなる前だったらリペアが可能かと思います。

以前から「トータルリペア」というフランチャイズチェーンを知ってましたが、最近ふと市内のFC加盟店を検索したら、
何と自宅至近(向かいのマンション・・・)で開業されている方が居ました!
それが今回お世話になった「ワッツ・クイックサービス」(以下”ワッツさん”)さんです。

まず見積りにきて頂き、施工方法の流れを説明頂きました。
提示金額は「ちょっと高いな・・・」と思いましたが、実際の施工を見たら(ずっと見守ってた(笑))「これは高くないぞ!」と
考えが改まりました。それだけ大変な作業でした、美術品の修復と一緒です。
以下キャプションで、そういう”大変な”作業が少しでも伝わればと思います。

尚、施工後の写真はワッツさんのサイトでも見る事ができます。
                                                                (第153章へ続く)

<施工前>w

11月15日 朝。
車庫から引っ張り出しました。

施工前の状況。座面のサイドサポート下は、乗降りの際の
ストレスで大穴が開きました。

腰と座面のサイドサポート部の全体像はこんな感じ。乗降りの度に革表面をこするので塗料が薄くなり、ヒビ割れ多数。
国産車の革シートに比べ薄くて柔らかい材質なので、16年という時間でむごい事になってしまいました。

座面部分のアップ。右側に断層みたいなのがありますが、
塗料が完全に剥離し、下地が見えている状態です。

今回は特に劣化の酷い部分に「部分リペア」を施します。
赤線の部分が対象です。どんな作業になるのかな?
<施工中>

ウチの”お向かい”からワッツさんが来ました。
まず大穴の修繕から入ります。こんな感じで養生しました。

色々な道具・コンプレッサーも持ち込まれました。
結構大掛かりな作業になるのかな?

まず大穴。特殊なパテを薄く塗る→熱処理をかける。
これを約3時間繰り返し、新たな被膜を形成しました。
パテの被膜は伸縮性があり強固だそう。

穴埋め終了後、いよいよシート本体の施工です。
養生の面積が一気に広がりました。

運転席全体の汚れを落とした後、施工部分の下地処理。
紙ヤスリで表面を軽く研磨。

下塗り剤をハケで塗り込みます。塗料は全て水性です。
ヒビの深い部分にはパテ?を塗り込んでました。

下地が出来たところでエアブラシで少しづつ着色。
プラモ塗るのと違い、薄く縫っていきます。根気が要る作業。
大体塗り終わったところで日没コールド。

11月16日 朝 作業再開。
2時間かけて仕上げ塗り〜トップコート塗布で作業完了。
冬場で塗料の乾きが悪く、施工当日は休車にしました。
<施工後>

大穴の補修部分。パテ盛った上からエアブラシかけてます。
被膜は結構厚く、触るとそれを実感できます。

施工箇所の全体像。塗料のお陰で施工前に無かった艶が
あり、どの方角から撮影しても”てかり”が出ます。

座面サイドサポートのアップ。上の写真と同一の場所。綺麗になった。表皮をリペアする事で、革本体の延命になります。
但し元々の状態が相当酷かったので、新品状態を”0”とすると、−10が−1くらいに戻ったと表現します。

腰のサイドサポート部も綺麗になり、ハリが戻った感じ。

蛇足ですが、ハンドルの擦れも綺麗にできるそうです。
ハンドル外さずに施工だそう。これは次の検討課題。

助手席側から見た全体像。塗装の艶は周囲に合わせてあるので、知らなきゃリペアしたなんて気づきませんね。
今回の作戦は”大成功!”でした。

おまけ 助手席もよく見たら運転席とは違った劣化してるな。シワが結構深い。