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第98章:助手席窓落ち修理(2014.12.08)

第95章でドア内貼りの取り外しと、ウィンドウレギュレーターの構造を把握しました。
その際ガラスとレギュレーターのスライダーの解結方法が編み出せず、復旧作業を自分でやるか否か大変悩みました。
自分でやれば部品代(4千円弱)のみ。ショップなら諭吉さんが複数枚です。
しかし周囲の方々にも相談し知恵を借り、百均で先の曲がったラジオペンチを買った事で自分でする決断をしました。

今回も隣町にお住まいでC3乗りのDanさんに「見守り」をお願いしました。
実は9月末日、Danさんと二人で鶴ヶ島のカレー屋でランチをもぎゅもぎゅ食べている最中に窓が落ちてしまったのです。
食べ終わってソライロ号に乗ったら「窓が勝手に開いてるよ!」という訳で発覚。
Danさんには”最初から最後まで”見守って頂く事となった訳です。
因みにDanさんに見せて頂いたC3の資料から推察するに、ウィンドウレギュレーターは後期型エグザンティアとC3で全く
同じ構造なので、C3も経年で逝く可能性が高く、Danさんにとっても作業は有益な情報になるとの事です。

さて作業ですが、昼食後(13時)から約3時間を要した大作業になってしまいました。
結局Danさんは窓ガラスを支える等大変貴重な戦力になってしまいました。素人のスキルで単独作業は無理でした。

最初の難関の窓ガラスをスライダーから外す作業は、細い精密ドライバーで窓裏側に密着した金属クリップを浮かせ、
”先曲がりペンチ”で強引に引っこ抜きました。っていうか下の写真に出てくるゴム部品と一緒にすっぽ抜けただけ。
作業前は部品構成がイマイチ解らずそうしたのですが、終わって冷静に考えればスライダーと窓ガラスの間にドア解剖に
使った「内貼りはがし」を差し込み、テコの原理でこじれば「バコン!」と外れた筈です。
これは今後破損が想定される後席窓の時に実行してみたいと思います。

以下が作業の記録です。私自身ヘインズのマニュアルやネット上の情報をかき集めましたが、決定打が無く困りました。
第95章と併せるとほぼ決定版の資料となる筈です。同様のトラブルに陥ってしまった同志のお役に立てれば幸いです。

この後別件で田澤自動車の社長と話をしましたが、この作業は手が傷だらけになるそうです。
私はTPOに応じて軍手してたので無傷でした。DIYを志す方はくれぐれもご注意を。

次回は恐らく「ハイドロポンプのオーバーホール」がネタになると思います。田澤自動車さんに修理予約を入れました。
その次はブレーキ関係ですね。課題山積です。
                                                              (第99章へ続く)

★ATTENTION!★
レギュレーターユニットを外す時は窓ガラスを目一杯上に上げないと抜く事が出来ません。
もちろん窓ガラスは他人の手で押さえるか、吸盤で留めるかする必要があります。
注意しないと窓ガラスが上から”ギロチン”みたいに落ちてくるので、非常にキケンですぞ〜。

ドアの内貼りを外すところまでは前回と同じ。
レギュレーターユニットを外す写真を撮りましたが、誤って
消去しちゃったので、ヘインズ記載の写真を加工して代用。
レギュレーターはドア本体に3本のナットで留まってます。
赤矢印の位置がそれです。

同じくヘインズより。レギュレーターを摘出するの図。
ヘインズは前・中期型で記載されています。
後期型と動力ユニットとワイヤーが全く異なります。
後期型はムーブメントが簡素化されている事が解ります。
しかし過度なコストダウンがトラブルの原因と見ました。

摘出されたレギュレーター。
手前側がドア内側に面しているので、外した時にしか面会
できません。

外した部品を並べてみました。
本体中央のリールから左右にワイヤーが出ています。
スライダーから外れちゃって遊んでいる訳です。

破損したスライダーと、スライダーの突起にハマるクリップと
ゴムスペーサー。ゴムスペーサーの存在は窓ガラスとスライ
ダーを分離するまで知りませんでした(外側から見えない)。

クリップはこんな形状をしてます。窓ガラスとドア外板の狭隘
な空間での作業で前回は全く外せませんでしたが、今回は
先の曲がったラジオペンチを投入し何とか外せました。

窓ガラスにはスライダーの突起が入る穴が開いています。
穴は人差し指先端が入る位の大きさ。

突起をダイレクトに入れるのではなく、ゴムスペーサーを入
れます。道理で穴が大きい訳だ。

新しいスライダーを装着して組みあがったレギュレーター。スライダーはレールの向かって右側から差込んでいます。
作業手順は
@向かって左側のテンショナー(白い部品)は予めバネを抜いた上で外しておく。
A向かって左側のワイヤーのダボ(先端の突起物)をスライダー裏側のダボ受けに差込む。
Bスライダーを向かって右側からレールに入れる。
C向かって右側のワイヤーを右側の滑車にかけた上、スライダー上面のダボ受けに差込む。
Dテンショナーにワイヤーをかけレギュレーターに取付ける。ワイヤー長がギリギリなので取付けてからでは無理。
Eテンショナーバネを取付ける。
・・・と、こんな感じです。この手順は試行錯誤の結果をまとめたものです。
テンショナーはワイヤーのテンションが掛かっているので、外した時と全く逆の方向を向いているのに注目して下さい。
尚、向かって右が上側になります。窓を閉める時はスライダーが右の方にスライドします。

上の写真の拡大。スライダーは左右からワイヤー(赤線)で
引っ張られています。ロープウェイみたいなイメージですね。
右側ワイヤーのダボ受けは上面。
左側ワイヤーのダボ受けはスライダー下側にあります。
上面側のダボ受けは窓ガラスを”上げる”時に大変な負荷が
掛かる為、永年の使用で破損するのですね。

テンショナー拡大図。ワイヤーは必要最小限の長さしかあり
ません!故にテンショナーを取付けた状態でワイヤーを仕掛
けるのは無理。ワイヤーを掛けてから取付けます。
その際バネの動きが邪魔なので外す訳です。
バネは取付後上から差し込み、一方をレールの裏側、矢印
の部分に入れます。バネは柔らかいので作業は楽です。

右側の滑車。ワイヤーが動くとカラカラ回ります。
上記手順の通りこちら側からワイヤーを掛けます。

スライダーと窓に取付る部品の関係。
予め窓にクリップを取付けたゴム部品を装着し、スライダー
の突起を差込むだけでした。洋服のスナップと同じ。
⇒スライダー突起を差込んだ後、クリップを入れようとしまし
たがクリップ形状が複雑で、ゴム部品に入りませんでした。

レギュレーターをドアに戻し【組みあがった】の図。窓ガラスの穴をスライダーの位置に合わせるのに大変苦労。
ガラスはスライダーから外すと他に支持するものが無く、遊びが大きいのです。だから位置もずれる。
窓ガラスをDanさんに支えて頂き、クレーンを降ろす要領で位置決めしながら合わせました。何回もやり直しました。
組み上げ後、電源を入れ動作した時は二人で大変感動致しました。

吸盤が取れ雑巾で吸盤の跡を消しスッキリした助手席窓。
復旧させるのに2ケ月以上経ってしまいましたね。

DanさんのC3とのツーショット。Danさんは”見守り役”の
つもりでお誘いしたのですが、大活躍になっちゃいました。

11月の頭の会津往復から活躍していた吸盤達。長い旅を
終えました。今回ウィンカーリレーもモダンサプライで買った
中古品と入替えました。黒リレーは今後緊急用にします。

さて、摘出した助手席用スライダー(右)です。
ツメの部分が破断し、運転席用(左)よりむごい事になって
しまいました。

ダボ受け部分もこの通り、裂けちゃってます。
じわじわと裂けたのか一瞬で裂けたのかは不明です。

スライダーの裏側。
これ樹脂ぢゃなくてアルミとかセラミックぢゃなきゃ駄目だよ。